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こちらの記事では、静電容量センサ設計とトラブルシューティング:ノイズ対策と実装における実践的課題についてご紹介いたします。
静電容量センサとは
静電容量センサは、”電界”を利用したセンサで、感度次第で直接触れることなく非接触センサとして利用できます。
物体の存在や位置の検出などにも応用できる技術です。
センサから発している電界に物体が近づき“静電容量が変化する”ことで導体である金属、誘電体である水、油、ガラス、プラスチック、紙など様々な物体の検知が可能で、非常に多くのアプリケーションで利用されています。
感度と閾値を調整することで、人と物質の区別、さらに近接距離なども変えることができ、様々なアプリケーションへの展開が図られています。
静電容量センサ設計とトラブルシューティング
▼電源ノイズの低減
電源のノイズとは、機器をコンセントに刺して電源共有を行った際の、交流電流内に存在する本来の使用用途外の電気や電磁波の事を言います。
これらの電源ノイズは機器の誤動作や性能低下の原因となるため、機器設計の段階で、極力除去・影響を受けないように設計する必要があります。
▼グラウンドとシールド
対策の一つとして代表的なものはアーシングであり、不要な電気ノイズを地上へ逃がす事で対策を行います。
もしくは、耐性の強い(容量の大きい)コンデンサを採用する事も、電源装置から発せられるノイズを抑えることができます。
また、シールドケースでノイズの発生源を覆う事で、ノイズが近接する装置へ届かないようにする事もノイズ対策の一つとして挙げられます。
▼電極と配線の設計
配線については、長ければ長いほどノイズの影響や電圧低下の発生が大きくなるので、極力短くなるよう設計を行います。
▼環境要因への対策
設置環境により、極端に高温となる場所や大型モーターの近くで異常電圧が発生しやすい場所の場合は、サージアブソーバー(異常電圧保護装置)を組み込んで機器の誤動作・ショートを防止します。
▼感度調整とチューニング
静電容量センサは、検出対象や使用環境に合わせて感度を調整する必要があります。
適切な感度設定を行うことで、誤検出を防ぎ、安定した動作を実現できます。
自動調整機能(ティーチング機能)を備えたセンサも存在し、設置の手間を軽減できます。
▼アプリケーション(予防策)特有の課題
静電容量センサは測定する際のしきい値をあらかじめ初期設定する必要があります。
しかし過度な調整は、機器のMTBF(平均故障間隔)とMTTR(平均修復時間)の増大の原因となり、稼動率低下につながるため、適度な調整が必要となります。
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今回は、静電容量センサ設計とトラブルシューティングについてご紹介いたしました。
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