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こちらの記事では、無電源センシングの可能性についてご紹介いたします。
エネルギーハーベスティングの原理
エネルギーハーベスティングとは「環境発電」の事で、自然環境から発電に必要なエネルギーを採取して電力に変換する技術の事です。
具体的には太陽光を利用したソーラーシステム発電、地面の地熱による蒸気の上昇を利用した地熱発電、洋上にプロペラの付いたタービンを設置して、風の力でタービンを回す事で電力を得る風力発電等が挙げられます。
RFIDによる無電源センシング
RFIDとはRadio Frequency Identificationの略で、ICやRFのタグを非接触で読み取る技術の事です。
身近なところでは、通勤時にバスや電車で使用しているSuicaやiCOCAのような非接触のICカードがそれにあたります。
RFタグで利用できる容量は128ビットと非常に少ない容量ですが、容量を大きくすると読み取り等の処理時間が長くなってしまう事から、用途に応じた最低限の容量が望ましいです。
RFIDはアンテナ側からの電波による電力供給により、磁場を利用して電力を発生させ動作するシステムですので、電池などの電源が不要で、かつメンテナンスせずとも長期間利用出来る特長があります。
無電源センサの応用分野
無電源センサは様々なシーンでの活用が既に行われています。その一例が下記となります。
・在席自動検知:静電容量センサを設置した椅子にヒトが座ると静電容量が大きく変化する事から、会議室の利用状況の管理から、勤怠管理まで幅広く活用できます。
・セキュリティ:既存の窓、ドア、金庫に無電源センサを設置する事で開閉の検知を行う事が出来ます。
無電源センシングのメリットと課題
▼メリット
・配線不要:センサを設置する際に配線を行う必要が無いため、既存の環境をそのまま使用できます。
・メンテナンスフリー:定期的な電池残量の管理をする必要がないため、長期に渡りメンテナンスを行う必要がありません。
・障害物に強い:電波を利用するため、多少タグが隠れている場所でも読み取れる事から、棚卸などが瞬間的に実施できます。
▼課題
・電波法:利用する周波数帯によっては免許が必要な場合が出てきます。
・コスト:QRコード、バーコードなどの印刷形式のコードと比較するとコストが高くなります。
・毎回一括読み取り:センサの電波が届く範囲のすべてのタグデータを毎回すべて読むため、大量にタグがある場合だとデータ取得後の仕分けが必要となります。
実際の採用事例:無電源技術による みまもり

振動デバイスを活用したセキュリティおよび見守り製品の活用事例として、無電源で作動する各種アラームやモニタリングシステムが挙げられています。
セキュリティ用途では、ドアや窓、金庫、貴重品の振動を検知し、異常時に通知する製品が紹介されています。
一方、見守り用途では、高齢者の転倒や異常な振動、赤ちゃんの動き、ペットの行動を検知し、それぞれ遠隔で介護者や親、飼い主に知らせるシステムが提案されています。
これらはすべて電池交換や配線工事が不要な点が特徴です。
センサ等、非接触デバイスのことなら、アトライズヨドガワにお任せください!
今回は、無電源センシングの可能性:エネルギーハーベスティングの応用についてご紹介いたしました。
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